子どものこの1年の英語のスタート地点を先に考えておく
この項目は、出発前に子どもの英語を仕上げておくという話ではなく、期待を現実に近いところへ先に合わせておくという話です。渡米1年目の家庭でいちばんよくあるプレッシャーの原因の1つが、期待と現実の差だからです。
学校には通常、独自の手順がある
多くの学区では、子どもの入学手続きの際に家庭で使っている言語を確認し、それをもとに、さらに評価を行うかどうか、どんな言語支援を提供するかを決めます。これは既存の手順であり、保護者が自分で手配する必要はありません。
ですから出発前にしておくべきことは、入学先の学区の手順がどのようなものか、いつ行われるのか、支援にはどんな形があるのかを知っておくことです。これらは学区に直接聞けば答えが得られます。
「聞く・話す」と「読む・書く」を分けて見る
多くの子どもは、日常会話では保護者の予想より早く上達しますが、教科の読み書きは別の話です。言語と教科内容の両方が同時に関わるため、もっと長い時間がかかります。
ですから「もうクラスメートと話せるようになった」だけで判断すると過大評価しやすく、「宿題はまだかなり大変そうだ」だけで判断すると過小評価しやすくなります。2つを分けて見て初めて、実際の進み具合がはっきり見えます。
この層は、あなたが耳にする話の中身にも影響します。当サイトには、子どもが学校であった出来事を家で話したとき、まず書き留めてから尋ねるかどうかを決めることについての別の記事があります。子どもが伝える内容は同じ層を通ってくるため、その記事では、言葉をそのまま書き写し、あなたが思う意味に訳し直さないようすすめています。
1年目の目標は別のところに置く価値がある
1年目の目標を成績に置くより、もっと基礎的で、その後の支えにもなるいくつかのことに置くほうがよいでしょう。
- 子どもが学校に行こうと思える
- 分からないこと、助けが必要なことを自分で伝えられる
- 話ができる相手が1人か2人いる
- 学校で困ったときに誰に頼ればよいか知っている
- どれか1つの教科や活動で力を発揮できる場がある
保護者にできること
どれも専門的な訓練は必要なく、それでいて子どもへの実際の助けは小さくありません。
- 母語を保つ。学習の妨げにはならず、子どもにとって大切な資源です
- 先生とつながりを作り、家庭の状況を知ってもらう
- 「分からない」を当たり前のことにする。そうして初めて子どもは口に出せます
- 言語以外で子どもが力を発揮できる場を見つける(スポーツ、音楽、算数・理科、美術)
- 最初のうちは進みが遅いことを受け入れ、受け入れていることを子どもに伝える
おすすめしないこと
善意から出たものでも、実際にはプレッシャーを増やすだけで効果が限られるやり方があります。
渡米直後から学校外の習い事や補習を大量に入れると、通常、子どもが環境に慣れ、友だちを作るための時間が削られます。そしてその2つのほうが、言語にはより直接役立つことが多いのです。また、家の中まですべて英語に切り替えると、子どもが自分を十分に表現できる唯一の場を失ってしまう可能性があります。
進み具合が本当に心配なら、自分で上乗せするのではなく、先生と話してください。先生には学校での子どもの実際の様子が見えており、それは家にいるあなたには見えない部分です。
当サイトには、成績だけでなく、子どもが授業に実際にどう参加しているかを確かめることについての別の記事があります。スタート地点を確認したあと、次に見るのはそこです。当サイトには、学校がどのタイプの英語支援を提供しているかを知ることについての別の記事があります。当サイトには、家庭言語調査票は事実どおりに記入すること、それがその後の手順を決めるという点についての別の記事があります。
この記事の範囲
この記事が説明するのは、期待の置き方と、問い合わせの方向性です。いかなる子どもの言語レベルも評価せず、教育、心理、言語療法上の専門的な助言を提供するものでもありません。お子さんへの実際の対応は、学校の評価と専門家の判断が基準です。
ポイント
この項目は、期待を現実に近いところへ合わせておくことであり、出発前に子どもの英語を仕上げておくことではありません。学校には通常、独自の評価の手順があります。「聞く・話す」と「読む・書く」を分けて見て、1年目の目標は、環境に慣れることと、自分から話そうと思えることに置きます。