子どもの学習支援の記録:持参する。ただし自動的には引き継がれない
お子さんが母国で、言語、学び方、注意力、あるいはその他の面で何らかの学習支援を受けていたなら、その記録は大切です。ただし、その大切さの中身は多くの保護者が予想するものとは違います。記録は出発点であって、結論ではありません。
記録は自動的には移らない
米国の学校には独自の評価と支援の手順があり、母国での評価結果や既存の取り決めは、通常、自動的に引き継がれることはありません。それぞれの制度、基準、手続きが違うからです。
実務上の意味はこうです。記録を持っていくことは必要ですが、こちらには独自の手続きがあると見込んでおきます。「証明を示せばそのまま適用される」ではなく、「背景資料を渡して、相手に出発点を持ってもらう」と考えてください。
何を持っていくか
相手が使うかどうか分からなくても、そろっているほどよいです。足りない分をあとから国をまたいで取り寄せるのは、とても手間がかかります。
- 過去の評価報告書(日付と実施機関を含む)
- 学校側の支援の取り決めの記録
- 関連する医療上または専門家の意見(あれば)
- 先生の観察記録や所見
- 上記書類の英文版。翻訳の要件は先に確かめておく
自分から、早めに申し出る
子どもがレッテルを貼られたり、違う扱いを受けたりするのではと心配して、話すべきかどうか迷う保護者もいます。その懸念は理解できますが、言わないことの代償のほうが通常は大きくなります。学校は事情を知らないままでは、ゼロから観察を始めるしかなく、それにはしばらく時間がかかるからです。
しかも、関連する手続きにはそれぞれのスケジュールがあることが多いです。学校に早く知らせるほど、調整の余地が広がります。入学手続きの時点で伝えるほうが、新学期が始まって2か月たってから伝えるよりよいです。
学区に聞く質問
結果ではなく、手順を聞きます。結果は、学区自身の手続きを経て初めて出てくるものです。
- 母国での評価記録があります。そちらの手順はどう進みますか
- あらためて評価を受ける必要がありますか。おおよそどのくらいかかりますか
- 手続きが終わるまでのあいだ、学校はどのように対応しますか
- この件は誰に連絡すればよいですか。学校側ですか、学区側ですか
- 保護者に渡せる正式な説明資料はありますか
言語と学習支援は別のこと
来たばかりの子どもの英語がまだ流暢でないことと、子どもに学習面の支援ニーズがあることは、別々の問題です。よく似て見えることもありますが、対応の経路が違います。
お子さんの状況がどちらに当たるのか分からない場合は、両方の記録を学校に渡し、学校の専門家に判断してもらいます。当サイトには、子どもの英語のスタート地点をどう見るかについての別の記事があります。
この記事の範囲
この記事で扱うのは、資料の準備と、学校に尋ねるべき手続き面の質問です。この記事は、いかなる子どもの状況も評価しません。教育や心身に関する法令の内容を解説するものではなく、医療、心理、教育上の専門的な助言を提供するものでもありません。実際の手順と権利・義務は入学先の学区の正式な説明を基準にし、必要に応じて資格のある専門家に相談してください。
ポイント
母国の記録は自動的には引き継がれません。こちらでの評価の出発点であって、結論ではないのです。自分から申し出ること、それも早いほどよいです。学区に手順とスケジュールを確かめます。言語の支援と学習の支援は別のことなので、混ぜて話さないようにします。