学校の学術的誠実性の規程を読み通す:その境界線は、慣れているものと違うかもしれない
これは「常識に頼る」より「ルールを読む」ほうがはるかに重要な、数少ない事柄の1つです。学術的誠実性(academic integrity)の境界線は各校が独自に定めていて、教育制度ごとの前提の違いは、思っているより大きいことがあるからです。
境界線は世界共通ではない
学術的誠実性とは「盗用しないこと」だと考える人は多いのですが、それは単純化しすぎです。実際に問題になるのは、母国では当たり前だったのに、ここでは違反とみなされるやり方であることが少なくありません。
しかも、判定は通常、動機を見ません。「それがいけないとは知らなかった」は、ほとんどの学校の処理手続きでは有効な弁明になりません。規程は公開されていて、入学時に読んだことの確認を求められるのが通常だからです。
いちばん踏み外しやすいいくつかの点
これらはあいまいな領域にあたります。あいまいだからこそ、なおさら先に確認しておく必要があります。
- 共同作業の境界線:課題はどこまで話し合ってよいのか。どの段階からは各自で仕上げなければならないのか。
- 引用の形式:どんな場合に出典を示す必要があるのか。言い換えた場合も示す必要があるのか。
- 再提出:同じ課題を2つの授業で使ってよいのか。
- ツールの使用:どの補助ツールを使ってよく、使ったことを開示する必要があるのか。
- 試験のルール:何を持ち込めるのか、何を調べてよいのか
ルールは3層あることがあり、しかも一致しているとは限らない
学校には全学共通の学術的誠実性のポリシーがあり、学部や学科には補足の規定があることがあり、個々の授業のシラバスがさらに厳しいこともあります。
三者が一致しないときは、通常、もっとも厳しい層が基準になります。ですから、毎学期シラバスを受け取ったら、数分かけてその部分を読む価値があります。その授業についてあなたが前提にしていたことを、シラバスが上書きするからです。
確信が持てないときは、先に尋ねる
あいまいな領域に行き当たったとき、事前にひとこと尋ねる手間は、事後に説明する手間よりはるかに小さいものです。尋ねる相手は授業担当の教員かティーチングアシスタントで、クラスメイトではありません。クラスメイトの理解が正しいとは限らず、その答えがあなたの裏づけになることもないからです。
尋ねるときは、状況を具体的に伝えましょう。「この課題は、解き方をクラスメイトと一緒に話し合い、コードはそれぞれ自分で書く、という形でもよいですか」と尋ねるほうが、「これは不正行為にあたりますか」と尋ねるより、ずっと役に立つ答えが返ってきます。
真剣に向き合う価値がある理由
学術的誠実性に関する処理の結果は正式な記録に残り、影響の範囲が1つの授業を超えることがあります。留学生の場合、在学ステータスの変化が関わってくると、その後の影響はさらに複雑になります。
この記事が伝えるのは「規程は存在し、境界線は学校ごとに違い、自分から読みに行く必要がある」ということです。滞在資格に関する規定上の結果を説明するものではなく、法律や移民に関する助言にもあたりません。実際の規程は、所属する学校の正式な文書が基準です。
当サイトには、ごみ・リサイクル・洗濯のルールは、ささいに見えても罰金は本物であることについての別の記事があります。学内でも学外でも同じです。境界線がどこに書かれているかのほうが、あなたがそれを妥当だと思うかどうかより重要です。
当サイト(ツールサイト)には、決まりは通常1層だけではないので、まず何層あるのかを聞き出し、それからどの層がその件を管轄するのかを尋ねることについての別の記事があります。ここでの3層は、その構造がもっともよくわかる例の1つです。
この記事の範囲
この記事で扱うのは、どの規程を読みに行き、誰に確認すべきかです。特定の学校の規程の内容を伝えるものではなく、ある行為が違反にあたるかどうかを判断するものでもありません。処分や不服申し立ての手続きを述べるものでもなく、法律上の助言にもあたりません。実際の規程は、在籍する学校の正式な文書が基準です。
ポイント
学術的誠実性の境界線は各校が独自に定めていて、教育制度ごとの前提は大きく違うので、常識に頼らずルールを読む必要があります。ルールには全学、学科、授業の3層があることがあり、しかも一致しているとは限りません。確信が持てなければ、提出する前に教員に尋ねましょう。