ニューヨーク州で NYSESLAT が終了し WIDA に移行、英語学習者から外れる基準点はまだ未発表
最終更新
ニューヨーク州の英語学習者(English Language Learner、ELL)が毎年受ける英語力テストが変わりました。2026年春が最後の NYSESLAT で、2026–27学年度からは WIDA ACCESS を受けます。ニューヨーク市の公立学校の実施期間は2027年2月1日から4月9日です。入学時の初回テスト NYSITELL は2027年秋まで使われ、その後 WIDA Screener に替わります。州の規則では、ELL から外れる条件は英語力テストで州の定める習熟レベルに達することです。WIDA に移行したあとの基準点について、2026年10月時点で州教育局の正式な発表は見つかりませんでした。
入学時:NYSITELL で ELL かどうかが決まる
ニューヨーク州の規則 8 NYCRR 154-2.3 は、子どもが初めて登録(または再登録)した時点で学区が判定を始めるよう定めており、すべての手順が終わるまではクラスは仮の配置になります。
- 家庭言語調査票(Home Language Questionnaire):資格のある担当者が保護者に渡して記入してもらう。
- 面談:英語と子どもの母語で子どもと話し、これまでの学業の記録を確認する。
- NYSITELL:家庭で英語以外の言語を話していて判定が必要な新入生が、ニューヨーク州の学校に入ってから最初の10授業日以内に受ける。聞く・話す・読む・書くの4技能。点数が州の定めるレベルに届かなければ ELL と判定される。
- 学区は判定から5授業日以内に保護者に通知する。ニューヨーク市では手紙で知らせ、点数と次の手順を書き、保護者を説明会(orientation)に招く。
- NYSITELL は2027年秋まで使われ、その後 WIDA Screener に替わる。
判定が間違っていると思ったら:45授業日以内に見直しを申請
154-2.3(b) により、保護者(または保護者の同意を得た教員、あるいは18歳以上の生徒本人)は、最初の判定から45授業日以内に、ELL の判定を見直すよう書面で求めることができます。学区は受け取ってから10授業日以内に結論を出さなければならず、特別支援教育の委員会が関わる場合は20授業日以内に延びます。
子どもの英語力が実際には授業についていける程度なら、見直しは書面で申し出て、英語の成績や外部の英語検定など、英語力を裏付ける資料を添えます。
バイリンガル教育か ENL か:保護者が選べる
- ニューヨーク州には2種類のプログラムがある。バイリンガル教育(Bilingual Education、母語と英語で教える)と English as a New Language(ENL、英語が中心で英語の支援が付く)。
- 規則では、バイリンガルのクラスがある場所ではバイリンガル教育が標準の選択肢になっている。保護者は ENL を指定できる。
- 保護者は10授業日以内に署名した選択票を返す。返さなければ、バイリンガルのクラスがあればそちらに、なければ ENL に入る。あとから変更することもできる。
- 同じ学校、同じ学年、同じ母語の ELL が20人以上いれば、学校は翌学年度にバイリンガルのクラスを開かなければならない。学区全体では、同じ学年、同じ言語の ELL が20人以上いる場合、少なくとも70%がバイリンガルのクラスに入れるようにする必要がある。
- ENL に入った子どもの保護者は、バイリンガルのクラスがある学校への転校を求めることができ、学区は通学手段を用意しなければならない。
- クラスの配置は判定から10授業日以内に済ませる。学区は年に少なくとも1回、ELL の保護者一人ひとりと個別に面談し、資格のある通訳を付けなければならない。
5つのレベルと、それぞれの ENL の時間数
ニューヨーク州の規則は5つのレベルで週あたりの ENL の時間数を決めています。1 unit of study は週180分以上を学年度を通して続けるものです(8 NYCRR 100.1)。stand-alone は単独で行う英語の授業、integrated は英語(ELA)の授業やほかの教科の中で、資格のある教員が協力して教える形です。
- Entering(入門):K–8 は2単位以上(stand-alone 1単位、英語の授業への組み込み1単位)。9–12 は3単位以上。
- Emerging(初級):K–8 も 9–12 も2単位以上。
- Transitioning(中級):1単位以上。
- Expanding(上級):integrated ENL を1単位以上。
- Commanding(習熟):ELL から外れた段階。外れてから少なくとも2学年度は、integrated ENL を0.5単位、またはほかの承認された支援を受ける。
- この5つのレベルは州の規則に書かれている。WIDA ACCESS に移行したあと、ニューヨーク市の成績表には WIDA の6つのレベルとスケールスコアが載る。2つのレベルの対応はまだ州教育局が発表していないので、学校の ENL コーディネーターに聞く。
どのレベルに達すれば ENL から外れるのか
154-2.3(m) により、ELL から外れる道は2つあります。
- 毎年の英語力テストで、州の定める proficient/commanding のレベルに達する。
- 毎年の英語力テストの各技能で advanced/expanding に達し、同時に州の英語(ELA)のテストで習熟レベルに達する。高校生は Regents の英語の試験で基準を満たすこともできる。
- 2027年春に初めて WIDA ACCESS を受けたあと、何点取れば基準を満たすのかについて、2026年10月時点で州教育局の発表は見つかっていない。学校が発表するまでは、ENL コーディネーターに「今年の基準は何か。保護者にはいつ知らせるのか」と聞く。
WIDA ACCESS の受け方
- 対象:K–12 のすべての ELL。年に1回受ける。
- ニューヨーク市の2026–27学年度の実施期間:2027年2月1日から4月9日。学校がこの期間中のいずれかの授業日に設定する。
- 聞く・話す・読む・書くの4技能。
- 形式:幼稚園版(1対1で実施)、1–12年生のオンライン版(答えに応じて難しさが変わる)、紙版(IEP や504プランで紙での受験が指定されている生徒)、Alternate ACCESS(重い認知障害のある生徒)。
- 成績:WIDA の英語力のレベルとスケールスコアが載る。WIDA の公式サイトに保護者向けの説明がある。
保護者が学校に聞ける5つのこと
- What level is my child at now, and how many minutes of ENL does my child receive each week?(子どもは今どのレベルで、週に何分の ENL を受けていますか)
- Is there a bilingual program in Japanese at this school or in the district?(学校か学区に日本語のバイリンガルのクラスはありますか)
- What score on WIDA ACCESS will my child need to exit ELL status this year?(今年の WIDA ACCESS で何点取れば外れられますか)
- When will we receive the score report, and can we meet to go over it?(成績表はいつ届きますか。説明のために面談の時間をもらえますか)
- Can I have an interpreter in Japanese for our meeting?(面談に日本語の通訳を付けてもらえますか)
よくある質問
- Q:NYSITELL はいつ受けるのですか。A:新入生がニューヨーク州の学校に入ってから最初の10授業日以内に受けます。学区は判定から5授業日以内に保護者に通知します。
- Q:子どもが ELL と判定されるべきではないと思ったらどうすればいいですか。A:最初の判定から45授業日以内に、英語力を裏付ける資料を添えて書面で見直しを求めます。学区は受け取ってから10授業日以内に結論を出さなければなりません。
- Q:バイリンガルのクラスではなく ENL を選べますか。A:選べます。バイリンガルのクラスがある場所ではバイリンガル教育が標準の選択肢ですが、保護者が10授業日以内に選択票を返して ENL を指定すれば済みます。あとから変えることもできます。
- Q:2027年の WIDA ACCESS はいつ受けるのですか。A:ニューヨーク市の公立学校の実施期間は2027年2月1日から4月9日で、学校がこの期間中のいずれかの授業日に設定します。
この記事の範囲
この記事は、ニューヨーク州の規則 8 NYCRR Part 154 の規定と、ニューヨーク市の公立学校が発表したテストの切り替えの情報を、2026年10月時点でまとめたものです。ニューヨーク州教育局のウェブサイトには今回接続できなかったため(証明書のエラー)、規則の条文は Cornell LII の転載から引いています。WIDA に移行したあとの基準点やレベルの対応はあらためて発表されるので、学校と州教育局の通知を基準にしてください。カリフォルニア州のやり方は、当サイトの ELPAC と AB 2555 を扱った2本の記事を見てください。
出典
規則は変わることがあります。以下はこの記事の執筆時に確認した公式・一次情報です。実際の扱いは学校・学区・所管機関の最新の案内に従ってください。
ポイント
ニューヨーク州は WIDA ACCESS に移行し、ELL から外れる基準点はまだ発表されていません。入学時の判定に疑問があれば、45授業日以内に書面で見直しを申請します。
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