入学手続きで学校はビザについて聞けるのか、住所と予防接種の証明は求められても SSN は求められない
最終更新
2026年10月時点で、アメリカの公立の小中高校は、入学手続きのときに子どもの年齢の証明、住所の証明、予防接種記録を求めることができますが、子どもや保護者の移民としての資格を理由に子どもの受け入れを拒むことはできません(1982年の連邦最高裁の Plyler v. Doe 判決)。学区が社会保障番号(SSN)を尋ねるときは、連邦の Privacy Act により任意であることを説明しなければならず、提供しなくてもそれを理由に受け入れを拒めません。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州は、さらに州法や州の規定で、ビザや移民の書類を入学の条件にしてはならないと明記しています。唯一の例外は、子ども本人が F-1 の学生ビザで公立高校に通う場合です。
ひとことで言うと
学校は、子どもが誰で、何歳で、学区内に住んでいて、どの予防接種を受けたかを確認できますが、在留資格を理由に子どもの受け入れを拒むことはできません。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州では、州の規定がビザや移民の書類を入学手続きの条件にすることをはっきり禁じており、H-4、L-2、F-2、J-2 などの資格の家庭も出さなくてかまいません。ほかの州では、その書類を求めるのはどの規定に基づくのかを学区に聞いてください。
学校が求めてよい書類
- 年齢の証明:出生証明書がいちばん一般的。代わりに受け付ける書類は州によって違う。ニューヨーク州の規定では、出生証明書が手に入るならそれだけを使い、ない場合にパスポートやほかの書類を使う
- 住所の証明:賃貸契約書、不動産の権利証書、水道光熱費の請求書、給与明細など。カリフォルニア州とニュージャージー州は、学区がさまざまな書類を受け付けなければならず、ある1種類がないことを理由に受け入れを拒めないと定めている
- 予防接種記録:州の保健機関の規定に従う
- 前の学校の記録:テキサス州法は入学から30日以内に出すよう求めている
- 各州のリストと後から出す期限は、5つの州の入学手続きの書類を比べた当サイトの記事を見てほしい
学校が求めてはいけない書類
- カリフォルニア州:Education Code 234.7 は、州法か連邦法で必要な場合、または州や連邦の補助を受ける教育プログラムの運営に必要な場合を除き、学校職員は生徒や家族の市民権や移民としての資格についての情報や書類を集めてはならないと定めている。カリフォルニア州司法長官が2025年12月に出した保護者向けのガイドには、入学手続きで市民権や移民としての資格の情報が必要になることは一切なく、SSN が必要になることも一切ないと書かれている
- ニューヨーク州:8 NYCRR 100.2(y) は、入学手続きのときや入学の条件として、学区は SSN や社会保障カードを求めてはならず、ビザのコピーを含め、子どもや保護者の移民としての資格が分かるような情報を尋ねてもならないと定めている
- ニュージャージー州:州教育局が2026年8月19日に出した年次の指針は、学区が市民権や移民としての資格に関わる書類を入学手続きの条件として求めたり尋ねたりしてはならないことを改めて示している。求めてはいけない書類には、市民権や移民の記録、社会保障カード、税金の申告書が含まれる。保護者が出生証明書(外国の出生証明書を含む)を出せなくても、受け入れを拒めない
- ワシントン州:州教育局(OSPI)は、学区は移民としての資格を明かすことや証明することを求めてはならず、すべての生徒に SSN を出させることもできないと明記している。SSN を尋ねるときは、任意であること、何に基づくのか、どう使うのかを説明しなければならない
- テキサス州:州教育庁(TEA)は2017年の学区あての通知で、Plyler 判決により、移民としての資格を受け入れを拒む理由にしてはならないと明記している
フォームの SSN の欄は必ず書かなければならないのか
入学手続きのフォームや給食の申請書には、よく SSN の欄があります。カリフォルニア州司法長官の保護者向けガイドの説明は次のとおりです。
- 入学手続きのフォームの SSN の欄は空けておいてよい。カリフォルニア州は、SSN も社会保障カードも出す必要はないと明記している
- 無料または減額の給食の申請書:必要なのは署名する大人の SSN の下4桁だけ。家に SSN を持つ大人がいなければ「No SSN」にチェックを入れ、収入が条件を満たせば子どもはそれでも対象になる
- 年齢や住所の証明を出すときは、移民としての資格が分からない書類を選んでよい。たとえばビザのページがあるパスポートの代わりに出生証明書を使う
- ほかの州のフォームは、その欄が必須か、書かなかったらどうなるかを学校に聞く。ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州の規定は前の節を見てほしい
聞かれたときの答え方
以下はそのまま言ったり書いたりできる英語の文です。落ち着いた口調で十分で、自分の資格を説明する必要はありません。
- "We'd prefer not to provide a Social Security number. Is it required for enrollment?"(社会保障番号は出さないでおきたいのですが、入学に必要ですか。)
- "Can we use the birth certificate as proof of age instead of the passport?"(年齢の証明として、パスポートの代わりに出生証明書を使えますか。)
- "Could you tell us which law or policy requires this document?"(この書類を求めるのは、どの規定に基づくのか教えていただけますか。)
- "Please let us know in writing if enrollment can't be completed without it."(この書類がないと入学手続きが終えられないのであれば、書面で知らせてください。)
子ども本人が F-1 の場合はなぜ違うのか
子ども本人が F-1 の学生ビザで公立高校に通う場合、学区は I-20 を発行する学校として、ビザの書類を扱い、子どもから全額の学費を受け取らなければなりません。ニュージャージー州の規定も、この場合を例外として挙げています。これは、保護者が F-1 で子どもが F-2 の場合とは違います。詳しくは、各ビザの子どもが公立学校に通えるかを扱った当サイトの記事を見てください。
生徒の情報の保護
- カリフォルニア州:裁判所の令状、召喚状、命令がない限り、学校はできる範囲で、保護者の書面の同意なしに生徒や家族の情報(住所や予定を含む)を移民の取り締まり機関に渡してはならない。令状を持たない取り締まり担当者を、校内の一般に公開されていない場所に入れてもならない(Education Code 234.7)
- カリフォルニア州:学区は、子どもには移民としての資格に関係なく無料で公教育を受ける権利があることを保護者に伝え、司法長官の Know Your Educational Rights のガイドを渡さなければならない
- カリフォルニア州司法長官のガイドには、学区が生徒の「名簿情報」(directory information、たとえば名前、学年)を公開するときは保護者に書面で通知しなければならず、保護者は公開しないことを選べると書かれている。ほかの州では、学区の名簿情報の方針を聞く
相談先
- まず学区の登録センターか校長に、根拠を説明してもらう
- カリフォルニア州:司法長官事務所の子どもの正義局(Bureau of Children's Justice)、電話 (800) 952-5225、メール BCJ@doj.ca.gov、オンラインの申し立ては oag.ca.gov/bcj/complaint
- ニュージャージー州:州教育局 Office of Supplemental Educational Programs、ML@doe.nj.gov
- ワシントン州:OSPI の平等・公民権局(Equity and Civil Rights Office)
- ほかの州:州教育局の入学手続きか公民権の担当部署
- 在留資格そのものの問題:移民弁護士か認定を受けた法律サービス機関
よくある質問
- 質問:H-4 や L-2 の家庭は、入学手続きでビザのコピーを出さなければなりませんか。答え:カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州では出さなくてかまいません。州の規定で、ビザや移民の書類を入学手続きの条件にしてはならないとされています。ほかの州では、どの規定に基づくのかを学区に聞いてください。
- 質問:家に SSN を持つ大人がいなくても、無料または減額の給食を申請できますか。答え:できます。カリフォルニア州司法長官のガイドには「No SSN」にチェックを入れればよく、収入が条件を満たせば子どもはそれでも対象になると書かれています。
- 質問:学校は生徒の情報を移民の取り締まり機関に渡しますか。答え:カリフォルニア州では、裁判所の令状、召喚状、命令がない限り、学校はできる範囲で、保護者の書面の同意なしに生徒や家族の情報を渡してはなりません。ほかの州では学区の方針を聞いてください。
- 質問:子ども本人が F-1 で公立高校に通う場合も、これらの保護は適用されますか。答え:入学手続きの書類については適用されません。学区は I-20 を発行する学校として、ビザの書類を扱い、子どもから全額の学費を受け取ります。
この記事の範囲
この記事は、2026年10月時点の連邦の判決と、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、テキサス州、ワシントン州が公表している規定や指針をまとめたものです。2014年の司法省と教育省の共同書簡が連邦のサイト上で現在どうなっているかは当サイトでは確認できなかったため、この記事は判決と州の規定を基準にしています。フォームややり方は学区によって違うので、学区の正式な説明を基準にしてください。この記事は個別のケースを判断するものではなく、法律上または移民に関する助言でもありません。在留資格の問題は移民弁護士に相談してください。
出典
規則は変わることがあります。以下はこの記事の執筆時に確認した公式・一次情報です。実際の扱いは学校・学区・所管機関の最新の案内に従ってください。
- Plyler v. Doe, 457 U.S. 202 (1982)(Cornell LII 判決原文)
- California Education Code 234.7(public.law による転載)
- California Attorney General:Know Your Educational Rights(Guide for Students and Families、2025年12月)
- 8 NYCRR 100.2((y) を含む、Cornell LII 規則原文)
- New Jersey Department of Education:Annual Enrollment Guidance: Ensuring Access to Public Education Regardless of Immigration Status(2026-08-19)
- N.J.A.C. 6A:22-3.3 Housing and immigration status(Cornell LII 規則原文)
- Washington OSPI:Immigrant Students' Rights to Attend Public Schools
- Texas Education Agency:Attendance, Admission, Enrollment Records, and Tuition(2017年8月の学区あて通知)
- Texas Education Code 25.002(public.law による転載)
- Cornell LII:5 U.S. Code § 552a(Privacy Act、第7条の SSN の規定の注記を含む)
ポイント
学校は年齢、住所、予防接種の証明を求めることはできますが、ビザ、移民の書類、SSN を入学の条件にすることはできず、フォームの SSN の欄は空けておいてかまいません。子ども本人が F-1 で公立高校に通う場合は例外です。
子どものアメリカ就学ガイド 50項目
出発前から新学期の最初の1か月まで、学区、入学書類、予防接種、英語サポート、通学と放課後の預け先を順番に整理しました。最初の12項目は無料です。